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2019/12/05

名古屋国税局での税務調査ワースト業種は飲食店?

ザパトくん
平成30事務年度(平成30年7月1日~令和元年6月30日)の法人税調査で、名古屋国税局管内の不正発見割合の高い10業種が発表されたね。

ナズさん
私も調査内容を見たわ。ワースト1位は、「外国料理」なのね。中華料理店やインド料理屋さんとかが例示に上がっているのか~。

(参考:名古屋国税局法人課税課)

イムちゃん
不正発見割合59%⁉

税務調査をしたら、6割近く不正をしているなんて、多すぎますね・・・


ナズさん
脱税とまでは言い切れないけど、意図的に過少申告している会社が野放しにされているなんて、イヤな感じですね。

ザパトくん
確かに多いね。売上を意図的に隠すとか、経費性の乏しい支出(プライベートのものとか)を経費処理しているというのが不正ということになるだろうね。全国で見ると、ワースト1位は「バー・クラブ」の70.3%だよ。

(参考:国税庁)

イムちゃん
7割・・・ほとんどですね。

名古屋国税局管内でワースト1位だった外国料理は、全国で見ても46.7%でワースト2位ですね。全国的に不正が多い業種と言えるのですね。


ナズさん
全国的にはワースト1位からワースト3位は前年と同じ。飲食店業が上位にきているね。

名古屋国税局管内で、外国料理は前年は圏外だったのに、今年は1位。急激にお店が増加しているのかしら。


ザパトくん
そうかもしれないね。やはり飲食店のような、現金を扱うビジネスは不正が起きやすい。振り込みだと隠せないからね。

ちなみに、黒字申告の割合も発表されたよ。


ナズさん
黒字申告という事は、経費よりも売上が多くて、利益を出している(=税金を払っている)状態の会社という事ですね。

ザパトくん
正確には、繰越欠損金を差し引いた後で課税所得がプラスとなっている会社だね。イメージとしては過去の赤字を上回る黒字が出ている、健全な会社と言っても良いかな。名古屋国税局が発表した結果は次のとおりだよ。

(参考:名古屋国税局法人課税課)

イムちゃん
え!?35%!?そんなに少ないのですか!

ザパトくん
この統計から見ると、7割近くが現在赤字か過去の累積赤字を解消できてない法人ではあるね。

それでも、黒字申告法人の割合は年々増加していて、8年連続上昇しているよ。ちなみに名古屋国税局管内の法人の黒字申告割合は全国平均よりも上昇しているね。東海圏は堅実な会社が多いと言えるかもね。

黒字申告割合 平成29年度 平成30年度
名古屋国税局管内 34.7% 35.0%
全国平均 34.2% 34.7%
ナズさん
せっかく起業しても、35%の人しか黒字申告をしていないのですね・・・。厳しい現実です。

イムちゃん
不正をしている人たちは、逆に言えば、儲かっているから利益を隠した、という事ですよね。

いったいどんな方法で不正をしていたのでしょう?


ナズさん
現金売上の伝票を捨てちゃって、売上を計上しない、なんていうケースがあったみたいだよ。

ザパトくん
レジを通さずにそのままポケットマネーにしてしまう、売上の抜き取り行為だね。

レジを一旦通しても、その記録を取消処理して、売上を抜くパターンも考えられるね。レジロールの取消履歴は、調査官としては気になるポイントでもある。

イムちゃん
売上を抜く以外にも、経費水増しで脱税する方法もありますね。架空の食材仕入れを計上したりして。

ザパトくん
そうだね。あとは、存在しない、架空の人に人件費を現金で払ったことにして、実際はオーナーのポケットマネーとしていたケースもある。

実在していない人は当然アウトだけど、働いていない家族にお給料を出すのもダメだよ。

ザパトくん
これらのことを意図的にやった場合は、「脱税」に該当するね。

あと、脱税ではないけど、飲食店の税務調査で100%チェックされるのが、「まかないの食事」かな。

タダで食事をさせている場合は源泉徴収をしないといけない。食事手当を払っているのと同じ扱いとされるわけだ。

イムちゃん
役員や使用人に支給する食事代は、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、源泉徴収しなくても、福利厚生費として処理できるのですよね。

①役員や使用人が食事代の価額の半分以上を負担している事
②役員または使用人に支給した食事について、使用者が負担した金額が一か月あたり3,500円(税抜き)以下である事
(食事価額-役員や使用人が負担している金額)

ザパトくん
よかれと思ってタダにしてあげたことでも、それが原因で追加の納税が発生することもあるから、注意しよう。

ナズさん
話は戻るけど、飲食店は、まだまだ現金取引のところが多いことが、不正が発生しやすい原因なのかしらね。現金だとお金の記録が残りづらいものね。国がキャッシュレス決済を推奨するのも不正をなくす意図があるのかもしれないわね。


ザパトくん
現金取引だと脱税しやすいのは税務署も分かっているから、売上や経費をごまかされないような方法で、税務調査は行われているよ。

イムちゃん
例えばどんな方法で行われているのですか?

ザパトくん
まずは、事前にお店にお客として来店して、店内をチェック。店の立地やお客さんの出入りなどはもちろん、誰がレジ打ちをしているか等も確認したりするよ。レジがあるのに、レジを使わずに電卓でわざわざ計算して現金でもらう・・・なんてパターンは売上を抜いている現場であることが通常だしね。
イムちゃん
なるほど、税務調査として来る前から調査はスタートしているのですね!

ザパトくん
だいたいの場合、税務調査は事前に通知してからくるけど、飲食店の場合は事前通知なしで、突然税務署が来た!お店にも自宅にも同時に来たなんてことは、珍しい話ではない。

これは、事前通知しないことで、お店に隠す時間を与えないためだね。


ナズさん
突然訪問されたら、お店側もパニックですね。

ザパトくん
飲食店の税務調査では、調査前日に調査官が本当に食事をしにきて、その食事した分がきちんと売上計上されているかも、レシートをみて照合したりするよ。

イムちゃん
税務署側も、いろいろ考えますね~

ザパトくん
他にも、領収書の数字を書き換えたり、架空の経費請求書を作成している場合も想定して、不審な点がないか調査していくよ。

ザパトくん
「反面調査」といって、調査官が支払い先や元従業員まで調査をしに行くこともあるから、不正が発覚する可能性はかなり高いね。特に現金で支払う相手はチェックされやすい。。
イムちゃん
確かに取引先に振込ではなく敢えて現金で払うというのは、通常ありえないですし、領収書や請求書があればOKということでもないわけですね。

ザパトくん
税務署は決済方法は意外とチェックする。現金でもらった会社が、その売上を申告していないケースもあるからね。現金で払う個人外注者とかは特に厳しくチェックされる。

税務署が、その会社が「仮装」または「隠ぺい」をしたと判断すると、重加算税という、重い罰金もついてくるよ。

重加算税の税率は、なんと最低でも35%。通常、過少申告加算税の10%~となるところ、25%の加算税が余計に課されることになるよ。

イムちゃん
「仮装」は請求書の数字を書き換えたりして、何かを捏造したり、偽造したりすること、「隠ぺい」は本来ある請求書を隠したりすることですね。

ナズさん
過少申告加算税は、単に申告の間違いを税務署に指摘されて、ペナルティで払う税金だけど、意図的に捏造したり、隠ぺいしたりすると、もっと重い税金が課されるのね。

ザパトくん
「節税」はいいけれども、「脱税」はだめだよ。

脱税は、当然違法行為。追徴課税が多額になったり、最悪の場合、逮捕されることもあるよ。

イムちゃん
ニュースでもたまに見かけますね。

ナズさん
私はそれくらいの罰則があって当然だと思うわ!きちんとやっている人が割を食う社会には、なってほしくないものね!

ザパトくん
これくらいなら大丈夫だという軽い気持ちでも、気が付けばその行為が止まらなくなったりするからね・・・。そこには大きなリスクがあることを忘れちゃいけないね。

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