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【ザイパブログ】ザイムパートナーズスタッフのブログ

2017/06/03

働き方改革を進めている税理士事務所の考え方

働き方改革というキーワードを目にすることが増えました。端的に言えばワークライフバランスを実現するために、仕事に携わる時間を減らしなさいということになります。安倍内閣では、働き方改革を担当する大臣もいるのです。国の意思として、ワークライフバランスを実現していくことが重要課題になっているわけです。

 

ワークライバランスを実現していく中で、企業としては時間管理と残業代の管理という2つの管理が必要になります。管理するのが当たり前ですが(法的にも)、中小企業の現場としてはできてないところも少なくありません。タイムカードすらないという会社も依然として存在します。タイムカードの結果と給与が連動していない会社です。

 

自社がワークライフバランスを目指すのであれば、先ずはどのステージに自社がいるのかを認識する必要があります。具体的には次の6つのどこに自社が該当するかを知ることです(法定労働時間を超える残業があるという前提です)

 

①時間管理なし。給与は毎月固定で残業手当という概念はない。

➁時間管理あり。給与は毎月固定で残業手当という概念はない。

③時間管理あり。給与は、適正な固定残業手当を含む。

④時間管理あり。残業手当の支給は適正だが、労働時間が長い。

⑤時間管理あり。残業手当は適正に支給され、かつ労働時間もほぼ適正(残業が多くない)。

⑥時間管理あり。労働時間が法定労働時間以内でほぼ完結しており、残業手当はほぼゼロ。残業手当が減った分を、賞与等で社員に還元していて、賃金水準の低下が生じない。

 

このなかで労働基準法に反している状態の①②は、ワークライフバランスにほど遠い会社といえます。もちろん、1日8時間の勤務以上になることが100%ない会社であれば?は結果オーライで問題なしです。

 

➁は、もっとも望ましくない状態です。労働基準監督署の臨検(立入調査)があった場合には未払い残業代の支払いを余儀なくされます。ワークライフバランス以前の問題です。ちなみに、この状態の会社は、厚生労働省管轄の助成金(雇用保険を財源とする給付金)の申請をしても不支給となる可能性が高いです。

 

③は、ここ数年の求人広告でもよく見受けられるスタイルです。労働基準法には抵触しないが、残業することに対しては当たり前という感覚で仕事をしている。残業ありきの会社ということになります。私たち税理士・社会保険労務士事務所でよく見受けられるのが、『月30時間の固定残業手当を、基本給に含む』というスタイルです。やや批判的になりますが、この表現の会社で30時間で収まることは少ないでしょう。

 

④は、コンプライアンス意識は高く、賃金水準も世間相場と比べても高いケースが多いです。業績も良く、受注力が高い会社でしょう。ただ、残業が多い状態で会社が成立しているので、ワークライフバランスとはかけ離れます。もっとも、待遇(給与水準)は良いので社員満足度は低くないケースが多いです。労働時間と処遇がマッチしているからです。

 

⑤は正にワークライフバランスを実現しています。問題はありません。

 

⑥は働き方改革の理想形ですね。労働時間も短く、かつ待遇も問題ない。同業他社と比べた時間あたり実質賃金(年収÷勤務時間)も高くなります。

 

弊社ザイムパートナーズは、現在④と⑤の中間の状態に来ていると判断していますが、さらに⑥を目指すなかで試行錯誤中です。⑥を目指すには、実際に仕事をするスタッフの意識改革も求められます。そのなかで軋轢も当然生じるでしょうし、自分の働き方を否定されたと感じる者も出てくるかもしれません。こんなに頑張っているのに、なぜ認めてくれないの?と誤解されるかもしれません。

 

ワークライフバランスの実現とは、最終的には労働時間ではなく、何ができるか(できたか)で処遇が決まるという社会になっていくということです。その一方で時間管理をされずに自由に仕事させてほしいという願い(法定労働時間を超えても仕事をしたい)も当然にあります。この両極があることを知りつつ、自社のバランスをどう整えていくのかが肝になります。

 

これは、ざっくばらんに言えば、残業●時間までは何一つ口出ししないし、残業手当も払うという基準時間を決めるということになるでしょう。残業ゼロが正しいわけでもなく、ゼロを強いられることが逆にツライというヒトもでてきます。ワークライフバランスの本を書くヒトって、たいていは超絶ハイパフォーマーでもありますから、普通のヒトよりも処理能力・判断能力が高すぎます。本を文字通りに受け止めてしまうと逆にハマります(苦笑)

 

そのうえで、残業しなくとも同じパフォーマンスで仕事が完成できるヒトには、昇給・賞与を手厚くするということになるでしょう。同じ成果を残せているならば、残業しない方が額面の給与・賞与は高くなる。残業する方は残業手当で報われる・・・といった感じですね。同じ成果を残すなら賃金は同じとなり、平等にはなります(ただし、昇進という点では異なってくるでしょう)

 

それでも最終的には⑥を目指さないといけないと思っています。仕事と社会が複雑化していくなかで、投下時間と生産性は比例しなくなっていくことは確実です。投下時間を短くするうえで、判断・検討する時間の短縮と、実務作業の時間の短縮の2つの課題がありますが、ザイムパートナーズでキーとなるのは『判断・検討する時間の短縮』でしょう。要はどうすべきか決められないと、次の行程に取り掛かれないので仕事の完了が遅くなるということです。仕事というのは、やることが決まっていれば進むだけなので、決めることが早ければすべては前倒しで進みます。そのために必要なのは、判断・決定する材料を多く持つこと。

 

分かりやすくいえば、仕事に必要な知識・情報を適切なタイミングで知っておくということです。知っておけば段取りを組むのも容易です。そのために、組織として情報共有を進めていくことが必須だと考えています。根性や思いだけでは前に進めない。

 

良い意味での合理性の追及。そこから逃げたくないなと思います。道半ばですが、しっかりと取り組んでいきますよ!少なくとも私たちの仕事領域は、時間で解決する時代ではなくなっていく。知識・判断で解決していくことがより増えていく仕事になっていくし、そうでなければ面白くないと思います。

 

最近、読んだ本をなんとなくですが並べてみました。ワークライフバランスを考えているようで、マンガ率高いですね(苦笑)。いただいた本とかもあって統一感ゼロですが、本を読むのが好きです。いろんな考え方を知ったうえで、自社をどうしていくかを決めていきたいです。マンガは熱い系が多いですね。

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