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2015/12/06

クリニック開業と生産性向上設備投資促進税制

生産性向上設備投資促進税制は、購入した機械などの設備の全額を、購入(正確には、導入)年度で経費処理できる。非常に節税効果の高い優遇税制です。

普通償却+特別償却(購入額−普通償却)の減価償却費のダブル計上で、設備購入額の 全額を経費処理することができます。 弊社 ザイムパートナーズでも積極的に取り組んでいます。私どもが積極的に取り組んでいるのは、いわゆるB類型です。経済産業局に必要書類を申請し、事前確認をいただくことで優遇税制を受けられるタイプです。 A類型は、私どもが動かなくとも、機器メーカーさんが積極的に関与先に提案するので、 私どもが提案をすることは、最近では無くなりましたね。制度導入当初の平成26年は、 認知度が低かったこの税制も、A類型については認知度は高まっています。 ただし、この税制も一つのターニングポイントを迎えようとしています。

平成28年4月1日以後は、100%経費処理はできなくなります。50%の特別償却(建物・構築物については、25%)の特別償却となります。

このことから、28年3月までの大きな設備投資がないかを関与先に確認しておく必要があります。メーカーさんも、この特別償却費が減少する前の駆け込み需要を取り込むために、積極的な提案をするのだと思います。 しかし、この税制との相性が悪い業種があります。いわゆるお医者さんです。クリニック・医院 については、この税制のうちA類型は適用不可です。下記の日本医師会からの通達もあるので周知されているところではありますが、念のためアップしておきます。

都道府県医師会 担当理事殿 年税第45号 平成26年2月5日 日本医師会 常任理事 今村定臣

生産性向上設備投資促進税制について 昨年12月12日に決定されました平成26年度税制改正大綱(自由民主党・公明党)における、本会税制要望の実現項目につきまして、平成26年1月6日付都道府県医師会宛通知文「平成26年度税制改正について」(日医発第993号)でご案内しておりますが、上記実現項目のうち、生産性設備投資促進税制につきましては、産業競争力強化法の施行に伴い、1月20日に施行されました。 生産性向上設備投資促進税制は、業種として医療も対象となりますが、今般、適用要件の 具体的内容につきまして、経済産業省より、別添の通り示されましたのでご案内申し上げます。

なお、医療用機器につきましては、生産性向上設備投資促進税制のうち「先端設備」に対する措置は対象となりませんが、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」に対する措置においては、器具備品のすべてが対象品目となることから、適用の可能性があります。ただし、適用要件として、一定の投資利益率が見込まれること等の確認手続き等が求められます。 今回の「生産性向上設備投資促進税制」創設に伴いまして、医療用機器は、当該新制度と、既存 の「医療用機器に係る特別償却制度」の、両制度の適用(選択適用)の可能性があることにご 留意ください。 また、新制度の上記確認手続き等については、税理士・公認会計士等に事前にご確認されます よう、その旨も併せて、会員各位への周知方よろしくお願い申し上げます。

ここでのポイントは、「A類型は適用できないが、B類型は適用できる」 です。 しかし、冷静に考えるとB類型は、設備投資により5%以上の投資利益李(投資利益÷投下資本)が求められるので、既存のクリニック等が、設備を導入したからといって利益率が向上するという計画は難しいと思われます。設備を導入して利益が上がる = 患者数が増える・高い診療報酬が新たにもらえる ということになりますが、その根拠が難しいとは思われます。

なお、経費削減による投資利益率の改善でもOKではありますが、クリニックの設備投資で多額の経費削減というのは考えにくいのではないでしょうか? 既存設備の入れ替えレベルだと利益率が向上するという計画は難しいと思われます。 できないことはないが、相当難しい。利益向上の根拠が書けるかどうかが、B類型のポイントとなります。ここが明快だと申請もスムーズですし、経済産業局の確認も早いのが、実務での実感です。

ただし、新規開業のクリニック等であれば、新たに設備を導入することで利益が 上がるのは当然なので(開業 イコール 利益の発生)、新規開業のお医者様は、 この税制を意識した方が良いと思われます。機械だけでなく、クリニックの建屋 ・内装も対象になります。 クリニックの開業費は、○千万円の世界ですから、この税制を上手く使えば、 ○千万円が一度に経費処理できるため、数年間は、 所得税・住民税の負担がないということも起こり得ます。

そういうわけで、クリニック開業予定の先生は、検討をお忘れなきようにお願い いたします。

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