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2014/No.06

税務調査は現場で解決しよう


『承服できないことは従ってはいけません。徹底的に争いましょう。』税務調査の結果に不満があった場合に裁判をしてでも徹底抗戦することが正しいとする意見があります。果たしてそれは意味がある行為なのでしょうか?徹底的に争った場合にどうなるのか?を検証してみましょう。

◆ 税務訴訟の勝率を確認しよう。
  
税務調査があった。修正申告を求められたが応じなかった。その後に更正(税務署による強制的な修正)を受けたため、納得できずに訴えた。この場合の税務署(国税庁)の敗訴率は何%なのでしょうか?国の敗訴=納税者の勝利ですが、この敗訴率の過去2年分をまとめてみました。 

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国の敗訴率は、25年度平均では8.3%となります。ざっくり言えば、納税者の勝率は10%に満たないということが読み取れます。勝ち目の乏しい戦だと言えます。つまり、税務調査においては、調査の現場で交渉・妥結しなければ、納税者に不利な結果になる可能性が著しく高くなると言えます。最高裁まで戦いましょう!と煽る人は思慮が足りません。調査の現場を離れ、更正されてしまうと10社に1社しか意見が認められないのです。調査は現場で全て終わらせる。上位の機関に持ち込ませないというのが、賢い納税者と税理士の抑えるべきポイントです。

税務署の更正に納得がいかない場合には、3つのプロセスを踏んで争うことになります。
①税務署への異議申立て → ②国税不服審判所への審査請求 →③ 裁判所での税務訴訟という流れになります。青色申告者の場合は、①を経ずに②からスタートすることも可能です。手続きの流れはともかく、上位機関に上がれば上がるほど、法的な根拠・事実の検証が求められるわけで、各行政機関の出した結論に対して、反論立証するのは納税者側となります。経費が認められないのであれば、その経費が損金(事業上の経費として税法上も認められる)となる理由を書面にする必要があるわけです。また当たり前ですが、更正により課せられた税金は納付しない限り延滞税が生じます。納得できない税金に対して申立てや訴訟をするのは納税者の権利ですが、その間も延滞税は膨らんでいきます。争う前に、先ず納税しないと延滞税のロスが膨らみます。なにしろ勝率10%にも満たないわけですから延滞税の膨らむ可能性の方が高いのです。

さて、堅苦しい話はともかくとして、興味深い審査請求事例を見てみましょう。こんなの勝てるわけがないでしょと思うか、これが勝てないのはおかしいと思うかは、その人の常識感に拠るところですが、上位機関での判断は甘くないという認識はしておくべきでしょう。

請求人の従業員は、青色事業専従者である配偶者のみであるところ、従業員等のレクリェーションのため慰安旅行を行い、福利厚生費として経費処理したが、サラリーマン家庭が行う通常の家族旅行と何ら異なる点は認められないとして否認した事例    

請求人は、本件慰安旅行費用のうち、請求人及び事業専従者である配偶者に要した費用は、従業員等のレクリェーション費用として必要経費の額に算入される旨主張するが、[1]本件旅行は、家族4人のみで毎年8月に、配偶者及び子女の都合・希望を聞いて実施されており、サラリーマン家庭が行う通常の家族旅行と何ら異なる点は認められないこと及び[2]本件以外にも同様の旅行を実施しているのに、本件旅行費用のみ必要経費になるとした理由も明らかでないことから、本件旅行は、他の企業が実施している従業員のための慰安旅行と変わらないという請求人の主観的理由のみで事業に関連性を持たせ、必要経費に該当すると判断したにすぎず、客観的にみて事業遂行上必要なものであるかが明らかでなく、通常の家族旅行との相違点も認められないため、家事上の経費と判断するのが相当である。

個人事業者での裁決事例です。法人で言えば、夫が社長で妻が取締役。かつ従業員のいない会社が、夫婦2人の旅行を会社経費にするようなケースです。弊社では、それは経費にできないと即答せざるを得ない内容ですが、意外と質問を受けることが多いです。親族であっても事業関係者であれば、それに関する支出は何でも経費にできるという誤解に対しての回答になる判例です。こんな内容で争うの?と考える方が大半だとは思いますが、審判所に持ち込まれる事例には、納税者が感情的になって提起したものも多いのだろうと推測されます。

請求人(歯科医師)が支出した諸会費等が家事関連費(プライベートと事業使用分が混在している費用)に該当するとしても、業務の遂行上直接必要な部分を明らかにすることができないから、必要経費の額に算入することはできないとした事例

請求人は、同人が支出した諸会費等(同窓会費、共済負担金、英会話研修費、旅費交通費、同窓会主催旅行の参加費用等)は、請求人の業務の遂行上必要な経費であるから、必要経費の額に算入すべきである旨主張する。

しかしながら、支出した経費が、業務の遂行上直接必要である場合はもちろんのこと、それが家事関連費であっても、[1]その主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分できる場合、及び[2]青色申告であれば取引の記録等に基づき業務の遂行上直接必要な部分を明らかにすることができる場合に、それぞれその明らかな部分を必要経費に算入することができることとされているところ、請求人の主張する諸会費等はいずれも家事費又は家事関連費と認められ、家事関連費に該当するとしても、業務の遂行上直接必要な部分を明らかにすることはできないから、これを必要経費の額に算入することはできない。

こちらも個人事業者ですが、同窓会費を経費として主張している点が興味深いです。納税者は『同窓会は開業医師にとって業界情報収集の場あるいは交際の場であるから、その会費は業務の遂行上必要な経費である旨主張し、同窓会に参加することは、業界の情報収集、歯周病専門医としての広報活動であり、同僚医師から患者の紹介を受ける等の効果もあるので、その会費は、通常の高校や中学の同窓会費とは異なり、医師として活動する上で必要な費用である』と主張したのですが、不服審判所は、『同窓会の活動目的からして、同窓生としての私的な立場で入会しているものと認めるのが相当であり、その会費についてその主たる部分が業務の遂行上必要であるともいえないし、業務の遂行上直接必要な部分を明らかにすることもできないから、これを必要経費に算入することはできない。』と、あっさり経費性を否定しています。

他にも紹介したい事例はたくさんあるのですが、私見を最後に述べると『税務調査は、常識的な判断でなされていることが大半である』と思います。家族旅行や同窓会費が経費とならないのは当たり前でしょ。と笑って判断できる事業者でありたいものです。

文:税理士・社会保険労務士 奥田正名


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