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頑張る会社をもっと強くする!節税ブログ

2020/07/08

ウィズコロナの時代の中小企業社長の財務戦略とは?

詳細については、こちらの動画を参照ください

イムちゃん
セーフティネット融資や公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付で、資金繰りが改善した会社が本当に増えました。
結果的に、コロナの影響を受ける前より資金残高が増えた会社もあります。

ナズさん
特にセーフティネット融資は、4000万円まで無利息・無保証料。
元金返済も据え置きが最大5年認められているので、倫理的な問題を別にすれば、借りたお金を定期預金に入れることで、逆に利息を受けとることもできるよね。

ザパトくん
理屈はそうなる。
もちろん、事業継続・改善のために使うのが本筋ではあるけど、使い道に迷うのであれば、そういう選択も有り得る。

イムちゃん
アフターコロナとかウィズコロナでの財務数値は、どう見ていくべきなのでしょうか?

ザパトくん
お金を借りることを躊躇う社長も今までは多かったと思う。理由は借りたら返さないといけないので、そこが不安というのが多い。
その考え方が大きく変わったと感じるね。借入が増えることより、手許資金がないことの方が不安になった。

ナズさん
分かりやすくいえば、
以前は、お金は少なくとも借金がなければOKという人が多かったのが、借金があっても、その分手元のお金が多い方が安心だという考え方に変わったということですか?

ザパトくん
そうだと感じている。そのなかでザイムパートナーズが見ていくべき財務指標はこれだと考えているよ。

確認すべき財務指標
①純借入残高が増えていないか?
②手元流動性比率
③純借入が増えている場合は、営業キャッシュフローが減っている原因を確認する
④可能であれば、社長個人の現預金が増えているかもチェック

イムちゃん
①の純借入とは何ですか?

ザパトくん
融資残高マイナス預金残高のことだよ。
つまり、すぐに返済できないお金がいくらあるかということだね。

ザパトくん
例えば1億円借りていても、1億円の預金残高があれば純借入はゼロとなる。借りたことそのもので、会社のリスクは増えていないということになる。逆に純借入が継続して増えていくということは、せっかく借入れたお金が目減りしている状況を示している。会社が稼ぐお金がマイナスまたは返済スピードに見合ってない状態であることが分かる。

イムちゃん
②は何ですか?税理士事務所であまり意識することのない指標ですが・・・。

ザパトくん
算式は、手許の現預金残高÷平均月商 で良いよ。
要は、売上の●ヶ月分の預金残高が準備できているかということが分かる。

ザパトくん
例えば、手許流動性比率が3倍なら、3ヶ月売上ゼロでも資金ショートしないという目安になるね。2020年7月6日付の日本経済新聞の記事では全産業平均で1.9倍(約2ヶ月)とあるし、財務省の統計でも同水準の数値はでている(財務省の統計は12を乗じて、月換算してください)

手元流動性比率
手元流動性比率 = 手元の現預金残高 ÷ 平均月商

(参考)年次別法人企業統計調査(平成30年度)12ページ
URL : https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/h30.pdf

ザパトくん
ただ、これは最低条件と考えて資金調達(融資)をするべきだと思う。

ザパトくん
今回の緊急事態宣言の期間は2ヶ月足らずくらいだったから、そういう視点では的を得た数字ではあるけど、実際はその間だけ影響があるわけではない。

ザパトくん
この手元流動性比率に正解はないけど、いろんな会社の財務内容を見ている経験でいえば、少なくとも3ヶ月。できれば6カ月程度の手許流動性は確保しておくべきだと思う(ザイムパートナーズでは、そう考えています)

イムちゃん
ポイントは、手許流動性を改善するためには、借入を厭わないということね。借りることそのものは間違ったことではない。使い方を間違うことが問題ということよね。借りただけではお金は減らない。

ザパトくん
そうなるね。手許流動性を改善してから、③が重要になる。
純借入が増えていく状態は、継続して収支がマイナスである状態。考えられる理由は下記だ。

考えられる理由
・損益分岐点売上を稼げていない(赤字。固定費が多くて儲かりにくい)
・利益<返済額 となっている
・回収が遅れている売上代金がある
・固定資産が増えているわりに、利益に貢献していない

ナズさん
そして、社長と会社は一体として考えれば④は意外と大事。
少なくとも年1回は社長の通帳残高を見て、1年前より減ってないかぐらいは知っておくと良いね。減っているのであれば、その原因は知っておいた方が良いよね(聞きにくいけど・・・)

イムちゃん
役員報酬を一時的に下げざるを得ないときでも、生活水準はそのままで支出はむしろ増えているケースもありますものね・・・。家族もあるケースだと支出を下げにくい面はあるけど、お金がなくなっては何も守れないし、社長個人の預金残高は着目すべきポイントかもしれませんね・・・。

ザパトくん
利益だけを見るのではなく、預金残高・借入・利益のバランスを意識していくことが大切になっていく。
これは1人社長の会社でも大きな会社でも同じだと思う。会社が継続していくことを前提に数字を見ていくことを推奨したいね。そのうえでの節税になっていくと思うよ。

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