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2013/No.10

『社員の行動を監視したい。』留意点は?


「社長や上司の見ていないところで、さぼっている社員がいるのではないか」「社内での盗難事件や、機密情報の漏えい等の不祥事を防ぎたい」――そんな観点から、ビデオカメラの設置やメールの履歴チェック等、社員の行動監視について社長様からご相談をいただくことがあります。ですが、これらはやり方を間違えると社員からプライバシーの侵害として訴えられかねない、非常にデリケートな問題でもあります。今回は「行動監視(以下「モニタリング」と記載します)」の留意点について解説します。

◆ 監視カメラや録音機の設置は可能?

可能です。会社内にこうした機器を設置すること自体は問題ありません。現に多くの店舗や工場には防犯カメラが設置されていますし、大手コールセンターや金融機関等でサービス向上のために電話の通話内容を録音することも一般的に行われていることです。こうした機器の設置について、「監視カメラで自席を常に監視され、プライバシーを侵害された」という訴訟に対し、判決は「カメラ設置の目的はセキュリティの向上であり、特定の個人を監視するためのものでなく事務所全体を見渡すものであるから、プライバシー侵害には当たらない」とし、社員の訴えを退けました。(東京地裁 平成24年5月判決)つまり、防犯や顧客サービス向上といった合理的な目的で行えば問題ないといって良いでしょう。

 私用メール・インターネットの私的利用のチェックは可能?

可能です。メールやインターネットのシステム、及びその上に記録される履歴は会社の資産であり、業務上の必要性があってチェックする分には問題ありません。下記に2つの判例をご紹介します。

【F社Z事業部事件】(東京地裁 平成13年2月3日判決)
上司が部下のメールを閲覧・監視していたことがプライバシー侵害となるか問題となった事案。
判決では、「社内メールはその履歴がサーバーに記録される以上、個人のプライバシーは制限されてもやむを得ない」とし、「上司がメールを閲覧した動機は個人的な好奇心によるものでなく、管理部門を通じ閲覧を行っていることから、個人のプライバシーを侵害したとは言えない」とされています。

【日経クイック情報事件】(東京地裁 平成14年2月26日判決)
社内トラブルの調査の過程で発見された私用メールが、プライバシー侵害となるか問題となった事案。判決では、「常習的な私用メールは、職務に専念すべき従業員の義務に違反しており、懲戒処分の対象となり得る」とし、「調査の必要性が存在した以上、行き過ぎた監視とは言えない」とされています。

 

◆ 反抗的でプライベートにも問題のある社員を、就業後や休憩時間も含めて監視しても良い?

残念ながら、NGです。休憩中や、職場外でのプライベートでの行為を監視の対象とすること、また個人的な感情や好奇心といった動機から監視を行うことはプライバシーの侵害となります。

【関西電力事件】(最高裁第三小法廷 平成7年9月5日判決)
特定の社員を孤立させることを目的に、職場の内外において、尾行、電話相手の調査、ロッカーを無断で開け私物を撮影する等の継続的な監視を会社が行ったことは人格権の侵害とされた。

【岡山電気軌道事件】(岡山地判 平成3年12月17日判決)
使用者が従業員控室に盗聴器を設置して会話を傍受することはプライバシーの侵害とされた。

 

◆ トラブルにならないモニタリングのポイント

 平成16年10月、経済産業省より発表された「ガイドライン」では、企業が行う従業員に関するモニタリングの留意点について、以下のように定めています。

① モニタリングの目的、すなわち取得する個人情報の利用目的をあらかじめ特定し、社内規程に定めるとともに、従業者に明示すること。
② モニタリングの実施に関する責任者とその権限を定めること。
③ モニタリングを実施する場合には、あらかじめモニタリングの実施について定めた社内規程案を策定するものとし、事前に社内に徹底すること。
④ モニタリングの実施状況については、適正に行われているか監査又は確認を行うこと。


会社の行為が、プライバシーの侵害とされた上記の事例については、これらの基準に則って正しい手順を踏まなかったことが原因と言えるでしょう。誰しも、目的も分からずに監視されることは不愉快で不安になるものです。監視によって得られるメリット以上に、労使の信頼関係に悪影響を与えては本末転倒です。業務上の必要性があってやむを得ず監視を行う場合は、まずその目的について従業員に十分な説明を行い、同意を得ることが第一です。また、1日の大半を社内で過ごす社員の常識の範囲内での息抜きや、休憩時間中の私的行為までを管理・摘発する意図ではない旨も説明すべきでしょう。

モニタリングを実施する場合は、下記の同意を事前に得ておくことが望ましいです。

モニタリングに関する同意書(例)
「私は、貴社が健康および安全の確保のため、あるいは情報システムおよび情報資産その他の業務用財産の保全のために必要であると認めた場合には、ビデオによるモニタリング、または私の電子メールの送受信を含むコンピュータ操作等をモニタリングすることがあることを承認します。」

 


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