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2017.No08

2018年問題 無期雇用転換の実務対応について


 労働契約法が改正されて、早5年が経とうとしています。皆様の周りでも、『無期雇用転換』というフレーズを耳にすることが多いのではないでしょうか?有期契約スタッフを1人でも雇用している会社は要注意です。今回は、有期契約スタッフの無期雇用転換についてまとめました。

 

◆ 無期雇用転換問題とは、ズバリ何? 何が問題なの?

 ざっくり言うと、通算5年以上の有期契約スタッフが、会社に「無期雇用転換の申し込み」をすると、会社は無期限で雇用する義務が発生してしまいます。雇用期限が到来すれば自動的に雇用契約を解消できる有期契約とは異なり、会社側から辞めさせたい場合には、解雇や定年制を設けない限り、永遠に雇用する義務が生じてしまいます。「必要なときに、必要な人材を」といった有期契約のメリットが通用しなくなってしまうのです。

 

 具体的には、改正労働契約法の施行日である平成25年4月1日以降に開始する有期雇用契約が対象です。平成25年4月1日より1年単位の契約で雇用している有期契約スタッフは、平成30年(2018年)4月1日に「無期雇用転換申込権」が発生します。ここでいう「通算」5年以上とは、勤続5年ということではありません。例えば、3年間の契約を更新したら、通算契約は6年になります。つまり、4年目から無期転換申込権が発生してしまうことになります。今の内に対象者をピックアップし、社内整備することをオススメ致します。

 

◆ 無期契約スタッフ用の就業規則はありますか?(無期=正社員ではありません)

 初めに確認しておきたいことは、就業規則です。就業規則には、正社員用・パート用など雇用形態別に定めていることが多いと思われます。無期契約スタッフは、どの就業規則に該当するか規定がありますか?大半の就業規則では、正社員以外は「有期契約」のスタッフのみを対象とした規定しか定められていないことが多いように見受けられます。きちんと対応されているか、次のチェック表で確認してみましょう。(各区分の適用は、参考例です。)

 

正社員

無期契約

有期契約

業務の役割

基幹的業務

補助的業務

補助的業務

業務の必要性

恒常的

恒常的

一時的

労働時間

フルタイム

パートタイムあり

パートタイムあり

時間外・休日労働

あり

なし

なし

職種変更

あり

あり(原則同意)

なし

勤務地の異動

あり

あり

なし

休  職

あり

あり

なし

定  年

あり

あり

なし

賃金体系

あり

あり

なし

定期昇給

あり

あり

なし

賞与・退職金

あり

なし

なし

 無期契約スタッフが適用する就業規則が無い場合、原則として正社員就業規則が適用されます。つまり、正社員同様に手厚い保護を与えることになってしまいます。同一労働・同一賃金の問題も控えています。正社員と無期契約スタッフとの「ちがい」を明確にして整備することが必要です。

 

◆ 無期転換後の労働条件変更は可能です

 労働契約法第18条は、無期転換後の労働条件について、次のとおり定めています。 

① 契約期間以外の労働条件は、現在締結している有期労働契約の労働条件と同一とする。
② ただし、当該労働条件について別段の定めがある部分を除く。

 ここでいう②の「別段の定め」とは、就業規則や個別労働契約などのことをいいます。例えば、「無期契約スタッフは、フルタイム勤務に限る」と規定することも可能です。無期契約に転換する以上、会社の恒常的業務に携わっていただく必要がありますし、当然に責任も増加します。場合によっては、業務の特性上、勤務地や職種変更の可能性もあるでしょう。無期転換後の労働条件を変える場合は、就業規則に明記し、全従業員に周知が必要です。後出しジャンケンのように、無期転換申込後に変更された労働条件を提示すると、トラブルになりかねません。スタッフにあらかじめ周知しておけば、無期転換後の労働条件に同意して申し込むことができます。

 

逆に「別段の定め」がないと、①が原則適用されますので、労働条件を変えることができません。労働条件を変更したい場合は、早急に整備が必要です。ただし、賃金などの労働条件の低下や無期転換申込を抑制するために必要の無い配転条項を定めた場合は、合理性が認められないとして労働条件の変更が無効と判断される可能性がありますので、注意が必要です。

 

◆ 有期契約の更新回数や上限年数を定めることは可能です

 あらかじめ、有期契約の更新回数や上限年数を定めて雇用契約することは可能です。注意しておきたいことは、無期転換申込を避けるためだけに上限を設けたと認められる場合は、無効とされる可能性が高いことです。例えば、特段の根拠も無く、契約上限年数が5年と定められている場合などです。本来の有期契約は、臨時的・一時的な業務に携わることが前提ですので、上限年数や更新回数に上限を設ける際は、業務上の理由を説明できるようにしておくことが大切です。

 

◆ 無期転換申込は書面申込を徹底させる

 無期転換は、条件を満たした有期契約スタッフの「申込み」により無期契約が成立します。言い換えると、申込みがなければ、有期契約スタッフのままです。自動的に切り替わるわけではありません。無期転換の申込は「口頭」でも法律上は有効ですが、後日、「言った、言わない」といったトラブルになる可能性があります。就業規則の整備とともに、社内様式を作成しておきましょう。

 

◆ キャリアアップ助成金を上手に活用しましょう

 ①雇用期間が4年未満の有期契約スタッフを、②面接試験などで転換し、③給与を5%以上アップさせると、1人当たり28万5,000円(生産性の向上が認められる場合は36万円)もらうことができます。優秀な有期契約スタッフを確保したい、恒常的・補助的業務の人員を定着させたい場合はオススメの助成金です。やる気がある優秀なスタッフがいる場合は、早い段階で無期契約に移行させ、お得に助成金をもらいましょう。

 

 無期雇用転換申込は、ぶら下がり社員のための権利ではありません。「頑張る人が報われるための制度」です。法律通りのその場しのぎの就業規則の改定では、本来の目的を達することはできません。賃金・評価制度を踏まえ、本腰を入れて就業規則を改定することをオススメ致します。


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