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2016.No10

良かれと思って社員にしてあげたことで、税金が増える?


愛知県の平成28年7月時点での有効求人倍率は1.62と、高いものになっています。求職者<求人数 の状態が続いています。

お客様との打合わせの場でも、求人を掛けても応募すらない、とのお話しを頂くことも多くなりました。そんな状況下だからこそ、採用数及び定着率のアップを目指し、給与の金額だけでなく、福利厚生を含めた待遇の向上に関しての施策をご検討なさっている会社にとって参考になる事例と、その法律との関係を、いくつか紹介させて頂きます。


 

◆成績優秀者に、金一封や慰安旅行を贈りたい

社員さんの頑張りに報いようと、上記のような事を検討されている会社は、多く見受けられます。支給すること自体は、特に問題ありませんが、残念ながら、この金額は給与として源泉徴収する必要があります。このような場合、税務的には、社員さんの通常の職務に対する対価とみなされてしまうためです。実務的には、源泉所得税分を、給与計算や年末調整時に徴収し、社員さんに対しては、金一封等を現物支給している場合が多いようです。

なお、勤続10年等の、永年勤続者に対する慰安旅行は、原則として給与課税は不要です。


 

◆全額会社負担で、社員旅行に行きたい

お客様の中でも、社員旅行をされるケースが増えてきています。全額では無いにしても、少なからぬ会社負担は発生します。その場合の取扱は、どうなるのでしょうか。税務的には、以下の範囲内であれば、給与課税は不要です。

①旅行期間が4泊5日(海外旅行の場合は、現地滞在時間が4泊5日)
②全社員の50%以上の参加
③社会通念上、一般的な金額

③が若干分かりにくい部分になります。感覚的な意見ではありますが、給与課税されない会社の負担額は、1人当たり10万円程度が目安になるかと思われます。ご参考までに、「社会通念上、一般的な金額」を超えた、豪華慰安旅行とみなされ、給与課税とされた判例を、少しご紹介させていただきます。

   ● 東京高裁  平成25年(行コ)第31号  

      マカオへの2泊3日      会社負担額 1人当たり約24万円

   ● 岐阜地裁  平成12年(行ウ)第25号  

      シンガポールへの4泊6日    会社負担額 1人当たり約20万円

なお、自己都合の不参加者に対して、某かの金銭を支給する場合は、参加者に対しても、その金銭の額が支給されたものとみなして、全員が給与課税されますので注意願います。

都合により不参加のパート2名に、1万円ずつ支給 
 ↓
全員が1万円支給されたものとみなして、給与課税

 

◆40歳以上の社員に、人間ドックを受けさせたい

社会保険に加入すべき労働時間の社員さんに対して、最低年1回の健康診断の実施が、労働安全衛生法に定められています。それに加え、人間ドックの費用を会社が負担した場合は、どうなるのでしょうか?

結論的には、対象者が特定の役職者に限定されておらず、一般的な人間ドックの額であれば、給与課税は不要です。逆に言うと、対象者が社長さんのみであるとか、高級ホテルへの宿泊付きのものである等の人間ドックは、給与課税が必要になります。40歳以上の社員全員が人間ドッグを受けられることが社内規定で定められていて、そのとおりに運用されていれば人間ドッグ費用を会社が負担しても税務的な問題は生じません。また、インフルエンザの予防接種も、対象者が限定されておらず、皆が受けられるのであれば、給与課税は不要と考えて問題ありません。

なお、社員さんの配偶者等、家族に対して費用負担する場合は、給与課税されます。


 

◆応募者が、遠隔地に住んでいるので、引越費用を出してでも採用したい

近隣では採用が芳しくないので、遠方に求人を掛けて採用に至るケースがあります。この場合、勤務するには転居が前提になりますが、この引越し費用の課税関係は、どうなるのでしょうか。

結論的には、引越し費用の実費については、給与課税は不要です。通勤手当と同じ考え方ですね。なお、転居に伴う子供の転校により、入学金が発生する場合、その負担を会社でしようとすると、そちらは給与課税が必要になります。「旅費の実費精算」の範囲から外れる、という考えのためです。


 

◆会社の近くに住まわせたい(社宅)

ご存じの方も多いでしょうが、社宅について再掲します。給与課税が不要となる要件は、以下のようになります。

①会社が物件を決め、会社で賃貸借契約を結ぶこと
②社員から、税法で定める賃貸料相当額の50%以上をもらうこと

「賃貸料相当額」は実際の家賃ではなく、固定資産税課税標準額を基準とします。実務的には、実際の家賃の50%以上を社員からもらっていれば、税務的な問題は起きないと思われます。

たまに見られるのですが、社員自身が賃借した住宅家賃の半額を会社が負担している場合は、給与課税の対象になります。「その方に対する住宅手当」とみなされるためです。


 

◆金銭的に困っている社員に、生活費を貸してあげたい

例えば、給与の締めと支払が、末日締め、翌月末日支払の場合、入社から初回の給与振り込みまで、最大で2ヶ月掛かります。昨今、この間を乗り切る蓄えが無い方も見受けられ、やむなく会社から貸付を、せざるを得ない状況もあるようです。この場合、課税関係はどうなるのでしょうか。

お金を借りると、通常利息が掛かります。社員が会社からお金を借りた場合も同じで、利息を付ける必要があります。ちなみに無利息で貸し付けた場合、その利息分が給与課税されます。この場合の金利は、原則として会社の借入金調達金利になります。

ただし、会社が貸し付けた事業年度中の利息合計額が、5,000円以下の場合は、給与課税は不要です。月給20万円の社員に1ヶ月分の給与と同額の20万円を2%金利で貸しても、年間4千円の利息となりますので、通常は1年以内の貸付けであれば、利息を付さなくとも税務的な問題は起きないでしょう。


 

◆誕生日休暇、結婚記念日休暇等を設定したい

某企業では、勤続3年ごとに、連続した5営業日の休暇が取れ、かつリフレッシュ手当20万円が支給されます。このように休暇を制度として導入する際に、「有給休暇の計画的付与」を使うと便利です。

有給休暇の計画的付与とは、会社が有給を使う日時を、あらかじめ計画し、その通り有給を取らせる制度です。計画的に取らせることの出来る日数は、「社員さんの有給残日数 - 5日」です5日は、社員さんの自由に使わせなさい、ということですね。これを使って、例えば「誕生日当日 + 前後日」で、3日間の誕生日休暇を設定する等の、計画を立てることが出来ます。

なお、本制度の導入にあたっては、就業規則の規定と、労使協定(労使協定は、労働基準監督署への届出不要)の締結が必要になります。


 

◆採用費用は、経費にするタイミングに注意が必要

例えば、優秀社員への報償として、課税の問題はさておき、慰安旅行をプレゼントするとします。通常、旅行代金は前払です。経費になるのは、実際に旅行に行ったとき(サービスを受けた時点)ですので、仮に支払が期中で、旅行が翌期になった場合は、翌期の経費になります。

話は変わりますが、求人広告の掲載料も、前払方式である場合は注意が必要です。マイナビ等はチケット制(例 6クールチケット)の長期掲載プランもあり、こちらも掲載時に経費になります。イメージ的には、6回掲載、金額300万円で、期中の掲載が3回だったら、半分の150万円しか経費になりません。このように採用・福利厚生に関係する支出には、前払のものがあるので、注意が必要です。


 

日本の生産年齢人口(=15歳から64歳の人口)は、1995年以降20年間で、1,000万人以上減少しています。統計的にも、働き手が減っていることが証明されているのです。今更、「産めよ、増やせよ」の時代が再来するとは到底思えず、人口が右肩上がりの時代を背景としたオペレーションは、早晩機能しなくなります。

5年前なら、書類選考の時点で不採用としていた人材が、今は応募すらしてこない。このような事は、昨今いくらでもあります。会社の内実は大きくは変わっていなくても、人口減少を初めとする、外的要因が大きく変化したのです。そして、会社を存続させるには、嫌でもそれに対応するしかありません。

良い人材を採用・定着させるには、精神論では無く、真っ当な待遇を提示する以外にありません。メジャーリーグのドラフトでは、最下位のチームから順に、独占交渉権がありますが、現実の世界にはそんなルールは無く、採用活動は、全ての会社が同じ土俵上の、完全なる自由競争です。

時は流れ続け、消費者の嗜好も、応募者の志向も変化していきます。誰に、何を、どのようにアピールするか。売上も採用も、根幹はマーケティング活動です。永遠に機能するオペレーションなど存在しない以上、生き延びたいなら、変化し続けるしかありません。問われるのは常に、今とこれからなのだと、個人的には思います。

 文・渡辺 雅人


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