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2016.No07

無借金経営は、本当に正しいのか?


「借入をゼロにしたい」、「借入はせずに会社をやっていきたい」

こういった経営者の言葉をよく聞きますし、実際それを目標に経営されている方も多いです。

果たして、借入金がゼロの状態(=「無借金経営」)は本当に良いものなのでしょうか?様々な視点から「借入金」というものを考えていきたいと思います。

 

◆ 無借金経営のメリットは?

借入金の返済が必要ないので、利益が出ている間は資金繰りは安定し、財務基盤はかなり強固なものになり倒産のリスクは少なくなります。安定性という視点ではかなり高くなります。

また、借入金が無いことで、経営者の心理としては精神的な負担が軽くなるということも言えるかもしれません。

 

◆ 借入は悪ではない?

借入そのものは悪いことではありません。会社は利益が出なくとも、資金が続けば継続できます。逆に言うと資金がゼロになることが最大の経営リスクとも言えます。

手許資金を安定化させるために借入金を利用することがあります。金利を払って資金の安定を買うということです。無借金であることは、余剰資金があるうちは良いのですが、何かのアクシデントで売上先から資金回収ができなくなったり、想定していなかった事情で赤字が拡大したことから、資金繰りが悪化してしまうというリスクが潜在しているのです。

「無借金であるということの安心感」と「資金繰りが安定している安心感」のどちらを選びますか?

現在の低金利の環境では、金利は非常に割安なコストです。。調達コストが低いうちに資金調達をして、コストが高くなったときに備えるのは経営者の仕事と考えても良い時期だと思います。

 

◆ 銀行さんと良い関係を築く

借入をするには、銀行さんと良い関係を築いておくことが大切です。何も行員さんと飲みに行って下さいというわけではないです(笑)。良い関係=実績を作る、ということです。借入をした実績と返済を実行した実績、この2つの実績を作って銀行さんとの信頼関係を作ることが経営にとっては大切になります。資金が欲しい時(困った時)に急に貸してくれと言っても銀行はすぐには貸してくれません。資金的に余裕がある時に借りておくことで、いざとなった時の対応策を増やすことができます。資金の余裕があるときだからこそ、逆に融資を申し込んでおくのです。

もし、自分が銀行さんの立場であれば、無借金経営の会社が急に借入を申し込んできたら、「何かあったのだろうな・・・」と勘ぐってしまいます。やはり、使い道がなくとも、業績が良いうちに、一定額は常に借りておくことをおススメいたします

 

◆ 第三者の評価を知る手段でもある

借入を通じて銀行さんとの関係を持つことのメリットは、もう一つあります。銀行さんは貸借対照表や損益計算書をチェックして与信判断(融資についての条件などの判断)をしています。その結果が、借入可能額や期間、利率に反映されるわけです。つまり、会社の財務状態、経営状態についての第三者の評価を借入することで知ることができます。中小企業の場合、他社の業績と比較することが難しいので、客観的な指標として銀行さんの評価というのは気になるところではないでしょうか。

 

◆ 自己資本比率を意識しよう

これまでの話だと借入金を積極的にどんどん増やしていけば良いという話に聞こえてしまいますが、自己資本比率が下がるので適正な比率で維持させることは必要となります

自己資本比率とは、会社の資産のうち自己資本が占める割合です。自己資本(資本金+過去の利益の累計)は返済する必要が無いので自己資本比率が高いほど、会社の資金安全性は高いと判断することができます。借入金が多いと、自己資本比率が低くなり、資金的に不安定だと評価されます。

少し古いですが、平成26年度の財務省のデータでは、全産業の自己資本比率の平均は、38.9%(製造業45.3%、非製造業36.4%)となっており、また、中小企業に限ると資本金1,000万円~1億円の会社で35.0%、資本金1,000万円未満の会社で17.0%となっております。

借入が増えても適正な自己資本比率である17.0~35.0%という数値はキープしておきたいところです

 

◆ 理想的なのは、実質無借金経営です

では、適正な自己資本比率を保つためにはどうすれば良いか。理想的な形は「実質無借金」であることです。

「現預金残高>借入金残高」となっている状態です。つまり、いつでも手元にある資金で借入金を返すことができる状態のことをいいます。これであれば、無借金経営と同じように財務状態は安定していますし、銀行さんとの付き合いもできている状態であり、理想的な形ではあります。

下記のグラフは弊社の月次報告書に含まれている借入金のグラフです。

(1)実質無借金の会社

キャプチャ

この会社は、借入の額は1億円近くありますが、現預金は借入額の1.3倍はあります。実質無借金経営で借入金も減少しているので、かなり財務状態はよいと言えます。自己資本比率も高い水準をキープすることができます。

 

一方、こちらの会社はどうでしょう。

(2)現預金<借入金となっている会社①

キャプチャ2

現預金<借入金となっており、実質無借金経営とはなっていません。また、借入金は減少していますが、現預金はそれ以上に減少しており、純借入金(紫の線)は増加傾向にあります。純借入金の増加は、自己資本比率を悪化させることとなります。

 

現預金<借入金となっていても、こういった会社の方が望ましいです。

(3)現預金<借入金となっている会社②

キャプチャ3

借入金は増加していますが、それ以上に現預金は増加していますので、純借入金(紫の線)のグラフは右肩下がりになっています。この場合、自己資本比率は徐々に高くなっていきます。

 

こういったグラフで、自社の現預金と借入金のバランスを確認することはとても大切です。借入を増やしても純借入金の線(紫の線)を下げていくことが、一番のポイントとなります。

 

◆ 最終的には利益を出すこと

借入の必要性について書いてきましたが、資金繰りを安定させること、純借入を減らし実質無借金経営にするためには、最終的には「利益」を出すことが必要になります。

大前提として「利益」が出ている状態で実質無借金経営を目指すというところがポイントとなります。会社としてどこで利益を出す(どの売上を伸ばして粗利益を稼ぐ)のか、また、利益を得られる投資をするのかということが会社を安定して経営していく肝になることは間違いないです。その上で、会社として選択肢を増やしていくために、借入をうまく利用するということを実践していただければと思います。弊社では、大きな投資や借入をされる場合、キャッシュフローと資金と借入のバランスを確認するために、3年~5年くらいの事業計画書(経営計画書)を作成することをお勧めしています。

文;税務チーム グループリーダー 岡田セイジ


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