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2017/12/16

平成30年4月以後事業年度からの所得拡大促進税制

後輩ちゃん
平成30年の税制改正大綱が発表されましたね。先輩はどの改正が気になりますか?
先輩さん
そうね。私は所得拡大促進税制かな。
後輩ちゃん
社員の年収(給与・賞与)が増えたら法人税が少なくできる。アレですね。
先輩さん
今回の改正は、平成30年4月1日以後開始事業年度から適用される予定。12月決算の会社だと、平成31年1月スタートの年度から適用になる。適用開始時期はお客様によって違うから注意してね。

 

先輩さん
さて、中小企業については次の2つのパターンがあるよ。??のどちらかを選択することになる。ちなみに税額控除の上限は法人税額の20%まで。

①平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加 →給与等支給増加額の15%の税額控除OK。

➁平均給与等支給額が前年度比2.5%以上増加し,教育訓練費の10%以上増加OR経営力向上計画の認定&実施証明を受ける →給与等支給増加額の25%の税額控除OK。

 

後輩ちゃん
あれ、前年度比だけなのですか?平成29年度の所得拡大促進税制では、平成24年度の人件費より3%以上増えないとダメという規定がありますよね?

 

先輩さん
その規定はなくなることになったの。あくまで前年度とだけ比べて最低1.5%以上の年収増加があればOK。今までは前年度より減ってなければ適用できたけど、今回は確実に年収アップが求められる。
後輩ちゃん
それは、私たち実務に関わるヒトには朗報ですね〜。お客様にも説明しやすいです。正確には、その前年度から在籍している雇用保険被保険者の平均年収で比較ですね?

 

 

先輩さん
そうね。イメージとしては2年目以上の正社員や勤務時間が週20時間以上のアルバイトさんの年収が1人あたり平均で1.5%以上アップしていれば、この税制が使えるよ。ちなみに海外で仕事している社員は対象にならない。最近は海外への長期出張者も多いから気をつけたいね。
後輩ちゃん
この平均年収比較は実務的には面倒くさいですね・・だけど、お客様の節税のためには、検討しないわけにはいきません。私は頑張りますよ!

 

先輩さん
そうね、雇用保険被保険者の抽出は必要になるわ。税務調査でもこの税制を適用しているときは、計算根拠資料の提示を求められるから心構えは必要よ。ちなみに個人事業者も平成31年分(2019年)の確定申告で、この税制は使えるよ。
後輩ちゃん
たしか、この税制を使って法人税を節税すると、法人税を課税標準とする地方税も節税できるのですよね?具体的には法人県民税・市民税です。

 

先輩さん
そのとおり。だから忘れると影響が大きい。また、この税制はあくまで納税者の任意選択なので適用を忘れていた場合は救済されない。適用したい人は自分で手続きしてね、という税制だから期限後に適用してないことに気づいても遅いよ。
後輩ちゃん
他に注意することってありますか?
先輩さん
あくまで年収が増えているかの判断だから。月給を増やさなくとも賞与を増やすことで条件を満たすことでもOk。月給は一度増やすと下げにくいので、決算賞与などで全体年収を上げる方が良いかもね。お客様の人件費に対する考え方にもよるね。

 

後輩ちゃん
ウチの会社は、どうなのかな?昇給あるのかな〜。

 

先輩さん
ピッタリ1.5%だけ昇給するかもね(笑)

 

後輩ちゃん
うーん、増えるのは嬉しいけど。微妙ですね〜。ちなみに中小企業以外の会社では、この税制はないのですか?

 

先輩さん
いわゆる大企業では、3%以上の年収増加が要件となっているわ。あと、さらに設備投資の要件もクリアしないといけないけど、中小企業には設備投資要件は今回は求められていないよ。

 

後輩ちゃん
よく分かりました。ところで先輩、ボーナスが出ましたよね?可愛い後輩におごってくださいよ〜。

 

先輩さん
だめよ。税制もおいしい食事も、要件を満たさないとね〜。先週お願いした仕事は進んでいるかな?

 

後輩ちゃん
うう・・・。頑張ります。
先輩さん
ちなみに、設立第1期の所得拡大促進税制の適用はなくなるよ(今までは特例適用がありました)。憶えておいてね。

 

 

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