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名古屋の会社を強くする労務ブログ

2016.12.20スタッフブログ労務/助成金アレコレ

監督署の調査で必ずチェックされるものベスト3


昨今の労働基準監督署調査のテーマは、過重労働対策です。28年4月に厚生労働省は、1ヶ月の残業時間が80時間(従来は100時間)を超える事業所を重点監督の対象としたことに加え、某広告代理店社員の過労死問題に注目が集まっていることから、今後さらなる長時間残業削減への取組が強化されるでしょう。今回は、監督署調査対策として、必ずチェックされるものベスト3についてまとめてみました。

労働基準監督署の調査で必ずチェックされるものランキングは、次の通りです。

 サービス残業の有無
残業時間が36協定の範囲内か
残業代の計算方法、最低賃金
変形労働時間制関係事項
就業規則の整備&届出(常時10人以上)、労働条件通知書交付
健康診断個人票
安全衛生管理体制の整備(安全衛生推進者(常時10人以上50人未満)、衛生管理者(常時50人以上)、産業医(常時50人以上)) 

ランキングからも明らかなように、残業関係が上位トップ3を占めています。

それでは、項目ごとにご案内します。

 

【1】 サービス残業の有無

 ここを見る タイムカードの記録と賃金台帳に記載された残業時間・残業代

タイムカードの記録と賃金台帳の残業時間に乖離がある場合、“合理的な理由”を主張できなければタイムカードの記録が正規の労働時間とみなされ、賃金不払いとされてしまいます。

罰則:30万円以下の罰金(労基法120条1号)

ここでいう“合理的な理由”には、明らかに労働時間でないことの証明が必要です。乖離の理由が「自己啓発」とされていても、実態は労働時間として扱うべき内容である場合は、是正の対象になります。(監督官から従業員に直接ヒアリングを行う場合もあります。)

 

 ~働いてない時間も労働時間とされないために~

●勤務開始の直前、実作業の終了直後にタイムカードを打刻し、10分以内に入退室

●管理者のチェック徹底(出退勤とタイムカードの時刻に乖離があれば、理由聴取し、是正指導)

●打刻漏れがあれば、都度報告

最近は、ICカード等の警備記録やパソコンのログ履歴とタイムカードとの照合まで確認されることもあります。勤怠のルールを決め、徹底させることでリスク回避に繋がります。

※手書きやエクセルで作成した出勤簿を導入している会社は要注意

タイムカード等の客観的な記録によらず、本人の申告による出勤簿を導入している会社は、定期的に実態調査を行う必要があります。自己申告による労働時間の把握はあいまいな管理となりがちなため、厳しい要件が課されています。実態調査を実施していない会社は指導の対象となり、結果報告を求められます。

実態調査は、ICカード等の警備記録、パソコンのログ履歴、防犯カメラ、メールの送信履歴など、客観的な記録との照合が必要ですし、申告した時間と乖離がある場合は、残業代が発生します。

手間とリスクの高い自己申告制よりも、タイムカードの導入をオススメいたします。

因みに、パソコンのログ履歴は、こちら(クライアントレター「IT時代の税務・労務リスク」)で簡単に把握できます。

 

【2】 残業時間が36協定の範囲内か

 ここを見る 監督署へ届け出た36協定とタイムカードの残業時間

先月のブログ「意外と見過ごせない!?三六協定の重要性」でもご案内しましたが、36協定を監督署に提出しないと残業させるとはできません。残業がある場合は36協定が提出されているか、残業時間が36協定の範囲内かチェックされます。

 〈チェック項目〉

 □1日の残業時間、1ヶ月の残業時間が36協定の範囲内(原則1ヶ月45時間)か?

 □1年の残業時間累計が、36協定の範囲内(原則360時間)か?

 □1ヶ月の残業時間が45時間を超える場合は、特別条項が定められているか?

特別条項に上限はありませんが、いわゆる過労死ライン「月の残業が80時間」を超える場合は、過重労働とみなされ、調査の対象になります。残業が多い会社は、業務の見直しが必要です。

 

3】 残業代の計算方法、最低賃金

 ここを見る 賃金規程の残業代の計算式、定額残業制に関する規定、最低賃金チェック

残業代の計算にあたり、除外できる手当は決まっています。下記に該当する手当以外は、残業代の計算の基礎に含めます。今一度、現在の計算方法をチェックしてみましょう。

割増賃金の基礎から除外できる手当(限定列挙)

・家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に発生する賃金(結婚手当や傷病見舞金等稀なものに限る)・1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)

 

 ~定額残業制を導入している場合~

基本給や手当の中にあらかじめ残業代を組み込んで支給する方法です。コスト削減に最適で便利な制度ですが、導入にはルールが必要です。

〈チェック項目〉

 □何時間分の残業代か明記されていること

 □残業代が明確に賃金明細書(または雇用契約書)に明記されていること

 □設定された残業時間を超えたら、差額を支給すること

 □残業時間を除いた基本給 ÷ 所定労働時間 ≧ 最低賃金845円(H28年愛知県)

上記のルールがないと、定額残業制を否認され、残業代全額未払いとされる可能性があります。(東京高裁H24.3.7判決阪急トラベルサポート事件)

 

最後に、大切なことは、虚偽の報告や文書作成は絶対にしないことです。

もし、調査前に問題や不備が発覚しても、書類の改ざんは禁物です。通常は指導や是正勧告に留まるところ、虚偽報告を行ったことにより「悪質」とみなされ、送検処分に至るケースもあります。事実を捻じ曲げず、正直に事実を報告し、改善に向けて努力する姿勢が大切です。

 


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