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2016.05.12スタッフブログ労務/助成金アレコレ, 節税

事前確定届出給与で、社会保険料を最低限にするスキームは、経営的にはマイナス


◆ 事前確定届出給与は、賞与の扱いをする

事前確定届出給与についての説明は不要という方もいるかもしれませんが、先ずはおさらいをしましょう。ポイントは、次の2点を守れば、役員への臨時給与(社員で言えばボーナスですね)が、会社の損金(経費)となります。

①税務署に、事前に届け出が必要(定時株主総会の日から1カ月以内に届け出しないとダメ)

②届け出た金額・支払日を厳守(100万円で届け出していて、99万円支払うのはダメ)

 

①②を共に守らないと、会社としては支払っても損金(経費)にならず、かつ支払われた役員には所得税・住民税が課されます。もらった役員は、どのような形でもらおうが退職金に該当しない限り、税務上は給与所得になるので月給・賞与のいずれであっても問題はありません。ただし、月給となるか賞与になるかで社会保険上の扱いは変わってきます。

さて、この事前確定届出給与ですが、年3回までの支払いであれば、社会保険の計算上も『賞与』として扱うことになります。根拠は下記の疑義照会回答です。

Q.事業所役員の役員報酬について、年間例月 12 回と、例月とは異なる金額の報酬を年 2 回支払う予定として、事前確定届出給与を税務署に届出している。役員報酬のうち、例月とは異なる金額の年 2 回の報酬は、賞与支払届にて届出すべきか、年間の年俸制と判断し標準報酬月額に算入すべきか?

A.定期に同額支払われる報酬のほかに、事前確定届出給与の支給がある場合は、その支払いが 3 月を超える期間ごとに支払われる報酬であれば、健康保険法第 3 条第 6 項及び厚生年金保険法第 3条 4 項による賞与とし、厚生年金保険法第 24 条の 3 及び健康保険法第 45 条により標準賞与額の決定をすることになる。


賞与となると、社会保険料の計算上、月給とは異なる社会保険料の計算をします。社会保険料 イコール 健康保険料プラス厚生年金保険料 ですが、それぞれの計算は次のようになります。

健康保険料  の計算・・・どれだけ支払っても、上限は573万円として保険料を計算。

厚生年金保険料の計算・・・どれだけ支払っても、上限は150万円として保険料を計算。


この『上限』を超えた金額には社会保険料がかからないことを利用して、月給を極端に低い金額にし、賞与(事前確定届出給与)を上限以上に設定することで、社会保険料の引き下げを行うスキームがあります。理論上は可能でしょう。

◆ 社会保険料引下げスキームを防ぐ通達が、平成27年10月より適用されています。

このスキームを使って、賞与を多く払い、社会保険料を少なくする一方で、実際の支払いは月給にオンしているケースが散見されました。処理上は賞与。だけど、実際の支払いは月給にオン(分割払い)されており、実態としては月給を支給しているのと変わらないケースです。

これを受け、年管管発0918第5号が、厚生労働省より発表され、月給にオンするような場合は、賞与ではなく月給として社会保険料計算もしてくださいね、ということになりました。賞与とか仮装して月給を払っているようなケースは認めないわけです。

このスキームは、年収のうち賞与部分を大きくし、月給を極端に引き下げることで社会保険料を減らし、社員も会社もコストが減る(その代わり、社員の将来の年金は減るでしょう)ことを狙ったものですが、理論上は可能でも、日々の社員の生活は極端に引き下げた月給では破たんしてしまうということを表しているのではないでしょうか?毎月の生活コストを下げることは困難です。かっこよく言えば、給与は下方硬直性があるのです。そうそう下げられるものではないのです。

給与をベースに毎月の生活費(ローンなども含みます)は決まります。月給が下がれば、生活費を下げないとしんどいです。貯金が潤沢にあれば良いのでしょうが、そんなヒトばかりではないですし、万一、退職せざるを得なくなったリスクを考えると月給が低いのは危険です。失業保険は月給ベースで決まるので賞与は影響しません。失業保険が低くなり、さらに生活が破たんするリスクもあります。

◆ 役員でも同じことがいえます。生活費は月額役員報酬で支払っている

役員であっても、同様のことがいえます。例えば年収1,800万円の社長(役員報酬月額150万円)が、仮に役員報酬月額を10万円にし、賞与(事前確定届出給与)を1,680万円にするとした場合、理論上は社会保険料が下がっても、毎月10万円で生活が成り立つでしょうか?

月給150万円の社長が、月給10万円で生活をするのは到底無理です。いくら、そのうち賞与があるとはいえ、その間のやりくりは厳しくなります。やりくりが家計の貯金の範囲で可能ならまだしも、足りない分を会社から引き出すようなことをすれば、上記の年管管発0918第5号が適用される可能性が高くなります。

また、会社経理上も社長貸付や、仮払金といった、銀行融資の与信上好ましくない処理をすることになるでしょう。プライベートの支出を会社の経費に付け替えるようなことがあれば、それは大問題です。

それでは、貯金があって、賞与の支払いまで一切会社からはもらわないケースなら良いのか?と言われることがありますが、それならOKです。ただし、落とし穴があります。

事前確定届出給与は、1円でも異なる額で支給してはいけない(損金とならない)ので、毎月の月給を低くしている場合は、事前確定届出給与の届け出額が大きくなるでしょうから、支給すると業績が大きく下がります。業績が事前確定届出給与の設定時の読み通りに推移すればよいですが、往々にして読み通りにはなりません。業績が下振れした場合、事前確定届出給与の支給額が大き過ぎると、決算数値がマイナス(赤字)となることがでてきます。支給しないと、今度は法人税が大幅に増えることになるでしょう。

つまり、月給と比べて、あまりにも高額な事前確定届出給与は、会社の決算を黒字化することを前提とすると避けた方が良いということです。事前確定届出給与を支給することで社会保険料を削減したい場合は、下記の3条件をクリアしないと現実的ではないといえます。

① 生活費を当面まかなえる貯蓄を、個人で準備できている。

② 会社の業績が赤字になっても構わない。

③ 万一の事故により損害補償を申し込むときに、月給が少ないと補償額が下がる可能性があっても気にしない。(自動車事故に巻き込まれ、加害者に休業時の補てんを求める場合などが考えられます。)

この手のスキームを提案するコンサルタントもいますが、上記①②③を認識していないケースが大半です。つまり、経営を分かっていないのです(手厳しいかな?)。

なお、事前確定届出給与の額があまりにも高いと、そもそも高額の役員報酬として損金性が認められないという説もありますが、当方の知る限りそのような扱いがされた判例もなく(あれば、ぜひ教えてください!)、役員報酬の決議が、そもそも事業年度の1年間分の給与を決める手続きに過ぎない(つまり、月給で払えということは会社法では規定されていない)ため、事前確定届出給与のウェイトが高いことで、税務上問題になることは考えにくいとは思われます。月給プラス事前確定届出給与の合算額で、業務に見合った適性な年収水準であれば良いでしょう。

ただし、前述したように、そんなスキームはやらない方が良いと思います。極端なことをすると、どこかに歪が生ずるものです。経営って、そんなものですよ。ザイムパートナーズとしては極端なスキームは会社にとっても社長にとっても毒だと思いますので推奨はしない方針です。

 

 


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