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◆ 税務調査の対象期間は、通常3年
税務調査を行う場合、税務署は申告期限から5年間遡って調査ができます。
根拠は下記です。長くなるのでかっこ書きは、今回割愛しますね。
国税通則法第70条 (国税の更正、決定等の期間制限)
次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から5年を経過した日以後においては、することができない。
◆1 更正又は決定 その更正又は決定に係る国税の法定申告期限
更正というのは、税務署が強制的に修正申告できる権利と考えればOKです。つまり、税務調査で問題があり、どう考えても修正するしかない事項なのに納税者が首を縦に振らない(修正申告しない)ときは、税務署は、この更正という手続きを強制的に行うことができるのです。
決定は、無申告の会社に対して、強制的に課税するケースのことです。申告しなさいと言っても無申告のままの会社(ダメですよ!)については、強制的に税金を課税するわけです。税額も一方的に決められます。通常は、税務署が申告をするように慫慂(促す)するので決定にまで至らないことが多いです。
更正・決定ともに、税務署内での稟議が必要なので、税務署としてはできる限り、納税者からの自主修正・自主申告をしてほしいというのが本音ですが、どうにもならないときは、強制的に課税することが認められているということは覚えておきましょう。5年までは遡って更正・決定は可能なわけなので、その期間の税務調査は当然の権利となります。
とはいえ、実際の税務調査は皆様も経験則で知っているとおり、3年間の遡及が一般的です。
5年遡れるからといって5年分を見るわけではなく。大抵は3年までです。遡及年数が増えると調査に時間を要するため、税務調査の日数が増えると、全体の調査件数が減ってしまいます。国税庁は調査件数を増やしたい(実調率を向上したい)意向があるので、1件当たりの調査時間を長く取ることはしたくないのです。深く調査するよりも、調査される会社を増やしたいのです。
なお、いわゆる繰越欠損金の変動を伴う更正は、申告期限から9年間遡ることができます。同じく70条に下記の記載があります。
2 法人税に係る純損失等の金額で当該課税期間において生じたものを増加させ、若しくは減少させる更正又は当該金額があるものとする更正は、前項の規定にかかわらず、同項第1号に定める期限から9年を経過する日まで、することができる。
◆偽りその他不正行為があった場合は、7年間遡られる。
4 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、若しくはその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税についての更正決定等又は偽りその他不正の行為により当該課税期間において生じた純損失等の金額が過大にあるものとする納税申告書を提出していた場合における当該申告書に記載された当該純損失等の金額 についての更正( は、第1項又は前項の規定にかかわらず、第1項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、当該各号に定める期限又は日から7年を経過する日まで、することができる。
いわゆる不正な行為(架空経費・売上の隠蔽など)があったと認められる場合は、7年間遡って更正する権利が、税務調査にはあります。そして大事なことは、『税務調査が一度終わった年度については調査はしない』という規定は、国税通則法には記載されていません。つまり、税務調査が終わって、数年が経ったとしても7年以内の申告については再調査する権利が税務署にはあるのです。
実際に、そういう事例に出会ったことがあります。3年前に税務調査(調査①とします)があった。そのときは軽微な問題だけで終わったのですが、その後3年経って税務調査(調査➁とします)が再びあった。その際に、調査①②の期間に連続して多額の架空経費があったことが判明したため、②の調査時に①の年度分も再度修正申告することになりました。詳細は書けませんが、経費の内容を見れば反論できる余地はなかったです。
一度調査が終われば、その年度を見られることはもうない・・・なんてことはないのです。そのために帳簿の保存期間も、原則7年とされているわけですね。調査が終わっても帳簿を処分してはダメよということですね。
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