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頑張る会社をもっと強くする!節税ブログ

2016/06/06

節税動画12〜オペレーティングリースのメリット・デメリット

◆ オペレーティングリースによる節税イメージ

 

オペレーティングリースは、共同で航空機やコンテナ等の(超)高額な減価償却資産を購入し、それを営業会社に運用させて収益を上げます。営業会社は、それらの高額減価償却資産を第三者に貸付けて収益を得ます。(航空機であれば、航空会社へ貸付て賃料収入を得ます)収益を得る一方で減価償却費も計上されます。その差引利益が、共同購入した人(出資者)に帰属するというものです。

 

賃貸収入—減価償却費=営業会社の利益となり、これを出資者に出資額に応じて按分した額を分配します。つまり、オペレーティングリースとは、共同での賃貸ビジネスともいえます。ビジネスなので、もちろん利益を出すのが目的です。

 

利益が出るのに、どうして節税になるの?と思われるでしょうが、賃貸期間の前半では、賃貸収入<減価償却費となります(償却方法が定率法のため)。そのため、前半は赤字となり、この赤字も出資額に応じて分配されます。つまり、出資者が法人だとすれば、本業の黒字とオペレーティングリースの赤字を相殺することができるわけです。これによって節税が実現するわけです。

 

もちろん、後半は利益がでる(賃貸収入>減価償却費)となるので、出資者の本業の黒字と、オペレーティングリースの黒字の合算額に税金がかかります。つまり、前半は赤字だけど後半は黒字となります(そうでないと誰も出資しないでしょうが・・・)

 

最後は、資産を売却して換金することで、利益確定となり、リースは終了となります。オペレーティングリースの商品によって異なりますが、7年から10年くらいで終了となるパターンが多いと思います。

 

◆ 生命保険による節税イメージ

法人が生命保険に加入する目的は様々ですが、節税目的で加入する場合の目的は『課税の繰り延べ』です。普段は保険料として経費がでていくだけですが、いずれ解約して、その時点で黒字となります。オペレーティングリースと構造的には似ています。そう、両方とも課税の繰り延べ(利益の先送り)なのです。

 

◆オペレーティングリースと、生命保険の違い

オペレーティングリースは、支払いは1回だけです。つまり、最初の出資のときのみです。これに対して生命保険は、保険期間中は、毎年保険料を支払っていくことになります。そのため、生命保険は中長期的な節税を担うことになりますが、オペレーティングリースは短期の節税に適しています。今期だけ税金を何とかしたいというニーズには、オペレーティングリースが適しています。ただし、オペレーティングリースは比較的高額です。最低単位が1千万円程度の商品が多いのが通例のため、資金的にはインパクトが大きいです(その分、課税の繰り延べ効果も大きいですが)。

 

7年から10年といったリース期間の間、資金を寝かす(つかえない)ことになるので、注意が必要です。そういう意味では、次年度以後の業績が読みづらい時に契約するのは資金繰りを考えると危険です。手元資金が潤沢にある、または融資による資金補てんを済ませてから契約することを推奨します。

 

大きな節税を考えるときは、将来もこの利益が続くと思って決められるのでしょうが、このご時世で業績が常に安定する保証はなく、生命保険による節税であっても解約返礼率の低い段階で、なくなく解約せざるを得ないケースも多々あります。節税の前に頭を一度冷静にされて、じっくり見極めたいものです。

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