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名古屋の会社を強くする労務ブログ

2016/02/10

労務動画? 話題の固定残業代制度について

最近、入社を希望されている方からの問い合わせで待遇についての問い合わせが増えてきた気がします。面談中は話しにくい(印象が悪くなると考える方も多いのでしょうね)のでしょうか、事前・事後にメールで確認されることも増えました。

 

ザイムパートナーズは、労働基準法を99%守っている会社なので、特に答えられないことはありません。(ちなみに100%と書かないのは、私自身がひょっとしたら気づいていない論点があるかもしれないからです。)

 

ただし、基準法を守ることは、会社にとってはコストがかかります。これは想像以上に大きいものであり、悩ましいものでもあります。どの社長さんもたくさんの給与を払ってあげたいという気持ちはあるのですが、ただ長時間働いたという事実だけにはお金を払いたくないという本音もあるでしょう。成果を出した人には払いたい、だらだら仕事をする人には払いたくない という気持ちが、残業代を払わない(基本給と固定手当で報いる)という行為になってしまっているケースも多いのでしょう。同じ経営者として気持ちは理解できます。

 

とはいえ、労働基準法に反していることは、やってはいけない!特にこれからの経営にはコンプライアンス(法令遵守)が必須です。少なくとも応募者に対して、?嘘がなく、?法律は守っているという2点は説明できないと会社の存続が難しくなると思われます。そこで、今回は固定残業代 制度について動画を撮ってみました。

ポイントは、3つです。

就業規則・雇入通知書の整備(労働条件の書面による明示が必須です。)

給与の中に残業を何時間分含めているか、そして、含められている残業時間を超えて働いたときは、残業代を別途支払う旨を就業規則・雇入通知書に記載しておく必要があります。「基本給に全ての残業代を含めている」では問題になります。どれだけ残業しても●万円ポッキリという契約は、労働基準法では残念ながら認められていません。見直しが必要です(労働基準監督署に社員から相談があった場合、100%会社が負けます。)

今の基本給を増やしたくないのであれば、基本給を新基本給+残業手当見込分に分解して、社員に提示することになります。つまり、給与の総額は変えないけど、内訳は変えるという方式です。そして、その残業手当見込分が労働基準法に定める割増率に沿って計算した金額でないといけません。

 

最低賃金を下回らない。

基本給に込みにする残業時間を多く設定すると、その分だけ時間単価は減少します。その結果、時間単価が最低賃金(愛知県では820円 2016年2月現在)を下回ってはいけません。 また、最低賃金を守っていれば残業時間をどれだけでも多くしてよいというわけではなく、1年間で360時間が限度とされています。意外と忘れられていることですが、残業をさせるには、36協定を労働基準監督署に提出することも必須ですのでご注意ください。

 

③労働者の個々の同意を得る
●時間分の残業代を込みにすれば、?で述べたように、基本給が下がる(新基本給になる)ので、時間単価は下がってしまいます。これは労働者の不利益となるため、社員個々に説明し、書面で同意を得るようにすれば、後々の従業員とのトラブルを未然に防ぐことができます。

 

・・・とはいえ、労働基準法的にセーフでも、社員からすると結局、残業代が出ないのかという印象に陥るものです。(恥ずかしながら、私たちの業界でも固定残業代 制度でかなりの時間を込み込みにしているところは多いです)

 

他社との違いを明確にして、良いヒトを採用できる会社になるためには、一時的には固定残業代 制度を導入していても、いずれはそこを脱却しないといけないのだろうと思います。正規の残業代を払える利益を出すことに、経営者は目を背けてはいけない時代に入ったと思います。ちなみに、ザイムパートナーズでは、この固定残業代制度は導入していません。1分単位で正規の残業手当を支給していますのでご安心を・・・。

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