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2016/01/04

マナカ(電子マネー)の経費処理について

今日は、『マナカ』をキーワードにして書いてみます。

 

東海3県の方には、マナカについて説明は不要だと思いますが、要は Suica等と同じ、乗車券と電子マネーが1枚になったカードです。 代金をチャージ(前払い)して、そのまま電車代金または物販の購入 代金に、利用の都度充当することができます。

 

個人で使用する分には、何も気にせずにチャージして、あとはピッて カードをかざして、電車に乗るなり、モノを購入していればイイわけですが、 事業経費の精算に使用する場合には、税務的には注意するポイントがあります。 ポイントは次の2点です。

 

(1)チャージは、あくまで前払金であり、チャージ イコール経費(損金)ではない。
(2)実際に、ピッと使ったとき(代金精算したとき)の記録を何らかの明細で残す必要がある。


(1)も(2)も、もっともな話です。 マナカは、チャージした代金の払い戻しも当然できます。現金を銀行に預入れて いるのと大差はありません。単に預けているだけです。

 

また、経費として使ったかどうかは、明細(領収書等)でしか判断がつきません。 事業用のモノを購入したのか、事業と無関係なモノを購入したのかは、 明細なしでは判断がつきません。 ですので、正しい税務処理をすると、下記の仕訳で処理することになります。

 

(チャージしたとき)  前払金   /  現金
(モノを購入したとき) 消耗品費等 /  前払金


ちなみに、マナカの場合、利用履歴の確認は、直近の利用分20件まで マナカ対応券売機、チャージ機で表示・印字できます。20件を超える残額・ 利用履歴の確認の場合は、駅長室や改札窓口または交通局サービスセンター へ申し出ることで、最大100件(26週間以内)を印字できます。 また、電子マネーの利用分は、「物販」と表示・印字され、店舗名や商品名は 表示・印字されません。何を買ったかは、個別に記載が必要となるわけです。

 

マナカは、利用するとポイントがつき、一種のキャッシュバックのメリット があるので、利用したい会社は多いと思いますが、何を買ったかは明細がない と判断がつかないため、税務的な問題は残ります。 実際の税務調査で、どこまで厳格に見られるかは、今後の調査での事例を 見ていかないと何ともいいにくいところですし、購入額の多寡にも拠ると は思います。

 

少額であれば、不追求になることも現実としてはあるとは 思います。 とはいえ、原則的にはチャージした金額をそのまま経費処理しては いけません。ここが悩ましいところですね。あくまで、返金もできる 以上は、マナカへのチャージは単なる預け金です。 預け金という意味で、同様の処理が求められるのが、アドワーズ広告 です。

 

後払いではなく、前金で任意の額を預入れるわけで、これも同様に クリックされた時点で、広告が成立したことになるため、マナカと同様の 処理になります。 要は、決算時点でアドワーズの明細をプリントアウトして、残額を確認し、 残額が、前払金の額になります。アドワーズであれば、広告以外での使用は ないため、下記の仕訳でも良いでしょう。

 

(おカネを振りこんだとき)  広告宣伝費   /  現金
(決  算  時    )  前払金(※)   /  広告宣伝費           
 (※)決算時の未使用額です。


(1)チャージは、あくまで前払金であり、チャージ イコール経費(損金)ではない。 (2)実際に、ピッと使ったとき(代金精算したとき)の記録を 何らかの明細で残す必要がある。 この2点が本来あるべき姿です。税務調査の現場では、寛容な場面も見られますが、それはチャージ額が少額な場合であり、多額のチャージが決算日近辺で行われている場合は、指摘を受けるケースも起こり得るでしょう。

 

決算日近辺でのの多額の支出は、税務調査ではチェックされる傾向があります。 本当は前払金なのに、無理やり経費処理していないかの確認がなされます。 決算ギリギリでの経費支出や多額のチャージは、特に注意しましょう。

 

マナカに限らず、電子マネーは、税理士的には悩みどころですね。 税制が、世の中についていってないと考えるべきか。世の技術が進みすぎた と考えるべきか、悩ましいところです。

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