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2015/12/18

広告宣伝費の前倒し計上について

中小企業においては、広告宣伝費の前倒し計上(経費にしてはいけないのに、してしまった)ということは頻繁に起こり得ます。

あまり深く考えずに請求書が届いたから経費処理をする、という通常の経理ルールで処理してしまった・・・。だけど、請求書の中身を見ると、まだ掲載すらされていなかったということもあります。

少し、古い記事ですが、大手の会社でも起こり得ます。

スズキ、12億円申告漏れ=販促費を前倒し計上 〜名古屋国税局時事通信 11月9日(金)9時20分配信 より引用

自動車メーカーのスズキ(浜松市)が名古屋国税局 の税務調査を受け、2011年3月期までの2年間で約12億 2000万円の申告漏れを指摘されていたことが9日、分かった。 国税局はこのうち約3億8000万円を意図的な所得隠しとみなし、 2億円余りを追徴課税したもようだ。 関係者によると、同社はタイの製造販売子会社に支払った バイクの販売促進費を、実際に支払った時期よりも前倒し して11年3月期に計上。開発用ソフトウエアの固定資産として の計上ミスなども見つかった結果、利益が圧縮され、法人税の 支払額が減ったと判断された。  スズキ広報部の話 見解の相違はあったが、国税局の指摘 を真摯に受け止め、適切に納税した。 

例えば、雑誌の求人広告などが分かりやすいと思いますが、あくまで 広告が雑誌に掲載されたとき(通常は雑誌販売日)に、損金処理と なります。要は、広告してもらった時点で損金ですね。 おカネを払ったときに損金処理ではありません。

最近では、ヤフーリスティングやグーグルアドワーズ・facebook等のリスティング 広告費用なども、帳簿を確認すると目立つようになりました。リスティング広告の場合は、 クリックされた時点で損金になりますので、クリック未消化分は、お金 の払いを済ませても、損金になりません。あくまで前払費用となります。 未消化分は、通常返金されるからです。 リスティング広告の場合は、クレジットカードで即日支払いが可能なので 決算日近辺で、多額のデポジット(預け入れ)を支払って、そのまま 広告宣伝費処理をしてしまう・・・ということを考えてしまうことも あるかと思いますが、あくまでクリックされた分だけが経費になると 考えてください。

少し話は変わりますが、広告の場合は、何に掲載された等の媒体コピーを 保存しておいた方が良いでしょう。請求書にメジャーな媒体の名前が書いてあれば問題にもならないでしょうが、 過去の税務調査で、何の広告に使われたか不明ということで指摘を受けたこと もあります。特にグループ会社間での広告は注意が必要です。

要は、いつ掲載されていたの?という確認ですね。請求書があれば経費になる・支払ったから経費になる のではなく、請求書に沿った何らかの役務提供の事実が確認できて、初めて経費になるというのが税務の基本スタンスです。ご注意ください。

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